詩篇23:1 主は私の羊飼い。私は、乏しいことがありません。
羊飼いの少年ダビデが見ていた光景は緑豊かな安住の地ではありません。私たちは羊を思い浮かべる時に牧草地を想像しますが、イスラエルでは1年の半分以上雨が降りません。
5月から10月の間は雨が降ることはめったにないので、牧場は緑ではないのです。むしろ緑の方が少ないゴツゴツした土地です。
その景色を目の前にして彼は「主は私の羊飼い、私は全く乏しくない!私は満ち足りている。」と言い切っているのです。ダビデは羊飼いであり、荒野を知り、また乏しさや貧しさ、孤独を経験していました。
王になる前から王になった後も、様々な試練を通されたのです。兄弟の末っ子として産まれ、父からは羊の番を任され(放置)、
ゴリアテとの戦いで勝利を収め英雄となり、王から嫉妬され命を狙われ、亡命し、気狂いのふりさえしました。
王になってからは不倫の罪を犯して部下を殺害し、悔い改めてからは息子に命を狙われ、反逆した息子は部下に殺害され……その中で神に頼り続けたのです。
それゆえ、王という権力を持っても自分自身を羊と例えることができたのでしょう。試練の中でも、主に頼る者は失望することはありません。
Ryu_taro